
この記事は、妊+のstand.fm『妊活すっぴんトーク』で配信した内容をもとに、読みやすく編集したものです。
今回は、薬剤師&不妊カウンセラーとして活動するよしこさんをゲストに迎え、「不妊治療を始めた頃」について話しました。
不妊治療を始めるとき、
「病院に行ったほうがいいのかな」
「誰に相談したらいいんだろう」
と迷うことがあります。実際に通い始めてからも、何をするのかわからない怖さや、「悩んでいることを周りに知られたくない」という気持ちがありました。
一方で、治療を終えて時間が経った今だからこそ、「自分が一番気にしていたのかもしれない」と気づくことも。
そんな迷いや、あとから見えてきたことについて、二人の経験を交えながら話しています。
ラジオを聴くような気持ちで、ゆっくり読んでいただけたら嬉しいです。
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『病院に行ったほうがいい?』最初の一歩を、誰に相談した?

不妊治療を始める前は、まだ「自分が不妊なのかどうかも分からない」。だからこそ、誰かに相談すること自体を迷ってしまうことがあります。二人も、それぞれ違うところから最初の一歩を踏み出していました。
藤岡:
「治療に通い始めて、辛かったとかっていう話は結構するけど、通い始めるときって、そもそも誰に相談したらいいのかっていうのもあるよね」
佳子さん:
「まだ不妊だとも分かってない段階だと、言いにくいよね」
藤岡:
「言いにくい。なんか、別に友達に話すことじゃないかなとか思ったりして」
佳子さん:
「そうだよね」
藤岡:
「佳子さんは、最初どうだった? 病院に行こうって思ったとき、誰かに相談した?」
佳子さん:
「私は母親に相談したかな。『病院、行ったほうがいいのかな』みたいな感じで」
藤岡:
「お母さんに相談したんだ」
佳子さん:
「そう。なんか、通ったほうがよさそうだけど、一歩踏み出せない、みたいな感じだったと思う」
藤岡:
「私は逆に、妊活するなら先に検査しておこう、みたいな感じだったかな。だから、そんなに『不妊治療を始めるぞ』っていう気持ちではなかったんだよね」
佳子さん:
「あー、そうなんだ。悩んでないもんね」
藤岡:
「そう、悩んでない。だから、始めるときの気持ちって、本当に人それぞれなんだよね」
同じ「クリニックに行く」という一歩でも、そこに至るまでの気持ちは違います。相談してから動く人もいれば、まだ何も分からないまま検査に行ってみる人もいる。けれど、その一歩を踏み出した先には、二人がまだ知らなかった世界が待っていました。
『何をするのかわからない』が、クリニックを怖くしていた
クリニックに行くと決めても、そこで何が待っているのかは、行ってみるまで分かりません。二人が振り返ると、最初に感じていたのは「治療そのもの」よりも、知らない世界に入っていく怖さだったのかもしれません。
藤岡:
「クリニックに行くっていうのは、大きいよね」
佳子さん:
「大きいよね。行っちゃえば別にどうってことないんだけど、なんか見えない世界がそこにあるし。『大変』っていうのもよく聞くから、行ったらどうなるんだろうって」
藤岡:
「そうそう。この世界ってどんなことするんだろう、何するのか分からないから、確かに怖かったね」
佳子さん:
「怖いよね」
藤岡:
「私、結構隠れて行ってたもん。クリニックにも」
佳子さん:
「そうね」
藤岡:
「こそこそしてた。なんか、やってはいけないことをやってるのかな、みたいな」
佳子さん:
「そうそう。全然そんなことないんだけどね。なんか『バレないように』みたいな」
藤岡:
「そう。『悩んでるのかな』って、人に悟られたくないみたいなのもあった」
佳子さん:
「あー、それ、めっちゃあったな」
藤岡:
「そもそも『悩んでないですよ』っていうスタンスでいたかったんだよね」
最初は、これほど長く治療が続くとは思っていなかった二人。けれど、半年、1年と通ううちに、仕事を休む機会も増え、「妊娠しないんだ」と周囲から思われるのではないかという不安も大きくなっていきました。知らないからこそ怖かったものが、少しずつ現実になっていきました。

『どこのクリニックに行く?』地域によって、選び方はこんなに違う
クリニックに行くと決めたら、次に出てくるのが「どこに行く?」という悩みです。ところが話してみると、クリニックの選びやすさは、住んでいる地域によってかなり違っていました。
藤岡:
「クリニック選ぶのとかはどうでした? 悩みました?」
佳子さん:
「悩みましたね。どの先生に見てもらうのがいいかなとか、自分の職場から近いところはどこかなとか。結構見ましたね」
藤岡:
「土地勘がないと選ぶの難しいよね」
佳子さん:
「そう。電車の時間とかもあるし」
藤岡:
「私は、そもそも体外受精までできるところに最初から通いたいなって思ってたから、近場で行けるところが2か所しかなくて。だから、その点ではそんなに悩んでいないかも」
佳子さん:
「あー、それは選びやすいね」
藤岡:
「そう。専門のところと、出産までできる産婦人科のあるところの2つ。私は絶対専門がいいと思ってたから、一択だった」
佳子さん:
「なるほどね」
藤岡:
「でも、東京みたいにクリニックがいっぱいあるところだと、どこにするか悩むよね」
佳子さん:
「そうだね。東京だったら、歩いて行ける範囲でも10個くらいあるもん」
藤岡:
「えー、すごいね!」
佳子さん:
「だから、先生の経歴とか、どういう人なのかとか。あとは仕事の合間に行けるか、夜遅くまでやってるかとか。人気のクリニックだと3時間、4時間待ちもあるから、そこがきつい場合はやめたほうがいいよって言ったりするかな」
藤岡:
「やっぱり、自分の生活に合うかどうかって大事ですよね」
佳子さん:
「大事だよね。クリニック中心の生活にはできないもんね」

クリニックの選び方は、住んでいる場所や仕事、治療の状況によっても変わります。だからこそ、「どこがいいんだろう」「これで合っているのかな」と迷うのも無理はありません。
そんなとき、経験した人に話を聞けたら、少しだけ見通しが持てることがあります。
二人も、かつては「治療を受ける側」でした。そんな二人が、どうして今、不妊カウンセラーとして人の相談に乗るようになったのか。ここからは、それぞれのきっかけを振り返ります。
『辛かった』で終わらせたくない。治療経験が今につながるまで
かつては、自分自身が「誰かに話を聞いてほしい」と思っていた二人。治療を経験したあと、今度は自分たちが誰かの話を聞く側になりました。そこには、それぞれ違うきっかけがありました。
佳子さん:
「私は、不妊カウンセラーっていう資格があること自体を知らなかったんだけど、自分の経験で何かできないのかなって思って検索したら、資格があるなって知って。ちょっと講座を受けてみようかなって」
藤岡:
「それは、出産して落ち着いて、『次は支援したい、サポートしたい』っていうところに変わったの?」
佳子さん:
「そうだね。出産してちょっと落ち着いて、一通りやったみたいなのがあって。もともと医療者として働いていて、患者経験みたいなものはなかったから、その立場になるっていうのは自分の中で大きかった。医療者として患者の気持ちに共感できるっていうのは、大事だと思ったんだよね」

藤岡:
「私の場合は、治療中にメンタルがボロボロになって、自分がカウンセリングを受けたいと思って探したの。でも、その当時はオンラインのカウンセリングもそんなになくて、受けられないんだって思ったの。そのときに、カウンセラーを養成している団体を見つけて。だったら、私がここでなればいいじゃんって思ったの」
佳子さん:
「受けたかったけど、受けられなかったことがきっかけだったんだね」
藤岡:
「そう。あの絶望がなかったら、多分なってなかったね」
治療中には想像もできなかった「その先」。二人がそれぞれの経験を振り返ると、つらかった時間が、思いがけない形で今につながっていました。
『私が一番気にしていたんだ』治療を終えて見えてきたこと
治療を終えても、子どものいる友人との集まりに行くことが、すぐに平気になるわけではありません。藤岡自身も、長い間そうした場を避けてきました。でも、少しずつ気持ちが変わってきたことで、久しぶりの飲み会に参加してみることにしました。
藤岡:
「不妊治療を始めてから、友達と疎遠になるみたいなことが結構あって。久しぶりに会う友達との飲み会にも、なかなか足を運べなくなっちゃったんですよね。
でも、治療をやめて4年くらい経って、だいぶ気持ちも落ち着いてきたし。やっぱり久しぶりに会いたいっていう気持ちもあったから、行ってみようかなって」
佳子さん:
「実際、行ってみてどうだった?」
藤岡:
「みんな子どもがいるから子どもの話にはなるんですよ。でも、今までよりは居心地の悪さがなくて。なんか、普通に聞いてるっていう感じだった。そしたら、10年ぶりに会った子が『不妊カウンセラーやってるの知ってるよ』って」
佳子さん:
「えー、そうなんだ!」
藤岡:
「クラウドファンディングのページを見てくれていて、実は支援もしてくれてたみたいで。なんか、それを知って、すごくうれしかった。自分に子どもがいないことを、飲み会では特に劣等感みたいに思ってたんだけど、それがすごく和らいだんですよね」
佳子さん:
「自分が一番気にしてたっていうのは分かってはいたけど、こんなに応援してもらえてたんだって実感できたんだね」
藤岡:
「そう。結構、自分で殻をがっつり作ってたなって思った。全然そんな、みんな気にしてなかったんだって」

この話の続きは、ラジオで
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。今回の記事は、妊+のstand.fm『妊活すっぴんトーク』で配信した内容をもとに編集しました。
実際のラジオでは、「そうだね」「分かる」と何度も共感しながら、ときには笑いも交えて、二人がそれぞれの経験や気持ちを話しています。文章だけでは伝わりにくい、声の温度や会話の間も、ぜひ感じてみてください。
今回の話で印象に残るのは、「結構、自分で殻をがっつり作ってたな」という藤岡の言葉。
周りにどう見られているかを気にしていたけれど、振り返ってみると、「全然そんな、みんな気にしてなかったんだ」と気づいた。そんな経験についても、二人で話しています。
今の自分は、何を気にしているんだろう。
少しだけ、自分の気持ちに目を向ける時間になれば嬉しいです。
実際の二人の声で聴くと、また違ったものが見えてくるかもしれません。ラジオを聴くような気持ちで、二人の会話もゆっくり聴いてみてください。😊
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一人で考え続けるより、誰かと話してみませんか?
今回のラジオのように、話してみて「私も同じ」と思える人と話せることがあります。
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