妊活を始めようか悩んでいる…
なかなか妊娠しなくて不安だけど、いつから不妊治療を始めたらいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査結果(2023年)によると日本人の初婚年齢は夫31.1歳、妻29.7歳。初産年齢は31.0歳で、結婚する年齢が高くなるにつれ、出産する年齢も高くなっています。また、一般的に35歳以上で初めて子どもを出産することを「高齢出産」といい、高齢妊娠・高齢出産になるとさまざまなリスクが高くなります。
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 早産・流産
- 難産
- 染色体異常
- 産後のトラブル
しかし、若いからといって妊娠・出産へのリスクや悩みがないわけではありません。20代で妊活・不妊治療をはじめた人も若さゆえの悩みがあります。この記事では20代で不妊治療を始めた人が何に悩み、いつ不妊治療をやめようと思ったのかについて体験談を交えながらご紹介します。
Mさんの体験談
Mさんのプロフィール
- 不妊治療歴:5年(27歳~32歳)
- 不妊治療の内容:タイミング法、人工授精、体外受精
- 不妊の原因と思われること:不明
何がつらかった?
- 自分と同時期に結婚した友達の妊娠・出産の報告はつらかったです。 さらに、自分より後に結婚した人の妊娠・出産の報告はもっとつらかったですね。 競っているわけではないけれど、神様に順番抜かしをされている感覚になり、つらかったです。20代からなのでその回数も数え切れません…
- 私の仕事は交代勤務で、生理不順でした。 「交代勤務を辞めれば生理不順が良くなって妊娠するかもしれない」「仮に治療するなら交代勤務で治療に行けない」と思い退職しました。
結果、同期や同級生が出世やキャリアアップしていく中、自分だけが置いていかれた気持ちでとてもつらかったです。 さらに、夫に対しても同じような感情を抱いていました。夫が出世する度に、腹が立って仕方なくて、悔しい気持ちでつらかったです。
- 20代の妊娠率や卵子の質を考えると妊娠するはずなのに妊娠しないことで自信を失い、女として否定されてる気分でつらかったです。 さらに、ほかの人にできることが自分にはできない事実がつらかったです。
- 当時はまだ不妊治療が保険適用になっておらず、治療費で何十万円と簡単に消えていくので生活するのも大変でした。周りの友達はブランドのバックを買ったり海外旅行へ行ったりしている中、自分はずっと「つらいこと」にお金を払っている事実がつらかったです。
何に悩んだ?
- 年齢が若い為、子どもが出来ないのに夫と夫婦でいることに悩みました。まだ、やり直しも出来る年齢だったので離婚も視野に入れていたと思います。
- 夫婦2人で生きていく為にどうするのか悩みました。 記念日は毎年やろうとか、年齢や年数を重ねていることに対する自覚が必要だなと思いました。
- 仕事を正社員で復帰するタイミングに悩みました。 これは、結局決められませんでした。 「妊娠するかも!」「また通いたくなるかもしれない!」と思うといつ復職しようか悩みました。
- 妊娠・出産報告をされることに対して、周囲に気を遣わせていると感じ、悩みました。「 実は…」と気まずそうに言われることも、「 そうさせているのは自分だ」という事実にも悩んでいました。
いつ不妊治療をやめようと思った?
わかりません。 不妊治療をやめようと思ってやめたというより、心が壊れて通院できなくなったような感じです。 夫が仕事で朝7時半から23時まで帰ってこず、休めるタイミングも少なく、非協力的に感じていたことも関係しているかもしれません。 29歳で卵巣嚢腫の手術をしたあとに体外受精をする予定でしたが、その手術で力尽きました。
その後、コロナ渦で夫がテレワークになり、32歳の時に1度だけ体外受精にトライしました。 結果は妊娠に至りませんでした。 クリニックの先生からは「原因不明不妊なので、体外受精をしたとしても自然妊娠での妊娠率と同じくらいかもしれない」とはっきり伝えてもらったことで、夫婦で話し合って不妊治療をやめることに決めました。
また、不妊治療をはじめた当初から、治療をやめるタイミングを助成金の回数を使いきる、もしくは私の年齢が35歳まで、と決めていたことも不妊治療をやめた理由のひとつにあります。
Sさんの体験談
Sさんのプロフィール
- 不妊治療歴:3年(1人目:29歳~30歳、2人目:33歳~35歳)
- 不妊治療の内容:タイミング法、人工授精、体外受精、FT手術
- 不妊の原因と思われること:卵管閉塞、着床不全
何がつらかった?
自分より遅く結婚した人がすぐに妊娠しているのを見るとつらかったです。
何に悩んだ?
私の周りには不妊治療をしている人がいませんでした。いたとしても人工授精までで、体外受精をしている人はネットにしかおらず、ステップアップにとても抵抗を感じてしまいました。
今振り返ると、もっと色んな人に話を聞いて早くステップアップをすればよかったと思います。 30代になり、体外受精をしている人に会う機会が増えたり、インスタでの情報が増えたりして体外受精への抵抗はなくなりましたが、20代のときは不妊治療をステップアップすることに抵抗がありました。
いつ不妊治療をやめようと思った?
後期流産を2回経験したので不妊治療をやめようと思いました。
Aさんの体験談
Aさんのプロフィール
- 不妊治療歴:6年(29歳~35歳)
- 不妊治療の内容:タイミング法、人工授精、体外受精
- 不妊の原因と思われること:不明
何がつらかった?
クリニックの先生から「若いから大丈夫」と笑顔で言われることがつらかったです。私にとっては若いのに妊娠しない事実がつらいのに「大丈夫」と言われ続け、気づけば35歳に…
友達や同僚もまさか私が不妊に悩んでいるとは思っておらず、笑顔を作り続けていたときは本当につらかったですね。
何に悩んだ?
若いうちから不妊治療をはじめたので、やろうと思えば治療を10年続けることもできたと思います。だけど、物理的に子どもをあきらめなければならなくなるまで不妊治療をつづけることはできないと思い、自分で不妊治療から離れる決断をするときは特に悩みました。
「ここで治療をやめて本当に後悔しないか」
「自分から子どものいる人生を手放していいのか」
「もしかしたら治療を続ければ妊娠するかもしれない」
”不妊治療をやめたい”気持ちと”不妊治療を続けたい”気持ちの両方が常に混在していました。
いつ不妊治療をやめようと思った?
はじめて採卵をしたときにグレードの良い胚盤胞が5つでき、2回目の採卵はしないつもりで不妊治療をすすめていたので、全て移植し終えたタイミングでいったん不妊治療はやめようと思いました。
不妊治療から離れたあとはいつ自然妊娠してもいいようにサプリは飲み続けていましたが、「いつまでも妊娠を期待している自分」に疲れてしまい「サプリも全部やめて、また妊活をはじめたくなった時にはじめよう」とようやく切り替えることができたのが不妊治療をやめて半年後でした。
その後、妊活をしたいという気持ちはまだ芽生えておらず、2年が過ぎました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
若さゆえに周囲から不妊に悩んでいると思われにくく、本人も悩みを打ち明けにくい現状があるようです。「若いから大丈夫」と安易に励まされることも、本人にとってはつらく感じることもある…
離婚を考えてしまうこともあるというお話も興味深いです。子どもを授からないことによるパートナーや家族への罪悪感、自分自身にも別の人生があるのではないかという葛藤は、不妊が与える影響はそれほど大きいということの表れであると思いました。
また、不妊治療をやめようと思った理由も、年齢を理由に治療から離れるというより、長期にわたる不妊治療で、心も身体も疲れてしまったことが大きく関係しているのですね。
子どもを望むカップルにとって不妊治療は一般的な選択になってきています。不妊治療をはじめたら、不妊治療を終える時が必ずきます。子どもを授かって終える人もいれば授からずに終える人も。どんな終え方になったとしても納得感をもって過ごしていけるよう、不妊の悩みはひとりで抱えないでほしいと思います。
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