子供に障害が出るのでは?不妊治療を経験した母の本音

子供に障害が出るのでは?不妊治療を経験した母の本音

はじめに

「不妊治療で授かった子どもに、もし障害や発達の問題が出たら・・」
治療中、そして母になった今も、そんな不安が頭をよぎることがあります。
「私の治療が原因なのではないか」
「あの時の選択がこの子を苦しめるのではないか」
そう自分を責めてしまうのです。
けれど医学的には、体外受精や顕微授精によって子どもの先天的な異常が増えることはなく、自然妊娠と大きな差はないことが分かっています。
それでも消えない罪悪感や孤独感。今回は、不妊治療を経て母になった私が感じてきた「本音」を綴ります。

診察室で感じた罪悪感

診察室に通い続ける日々の中で、私は体外受精・顕微授精で母親になろうとすることに罪悪感がありました。
自然に授かれなかったことを「欠けている」と思い込み、医療に頼ることへの後ろめたさが心に残っていたのです。
その罪悪感が、子どもの小さなつまずきや発達の課題に直面したとき、「やっぱり私のせいかもしれない」と自分を責める気持ちにつながっていきました。

あの時の願いと、いま大切にしたいこと

不妊治療を続ける日々の中で、私は何度も自分に問いかけました。
「もしこの子に何かあったら、私は責任を取れるのだろうか」
それでも治療をやめなかったのは、心から「絶対にこの子に会いたい」と願ったからです。
だから今、思うのです。大切なのは「責任を重く背負うこと」ではなく、自分一人では受け止めきれないときに誰かに頼ろうと決めること。
そして、過去の罪悪感に縛られるのではなく、今この瞬間を楽しむこと。
罪悪感は手放すこと。

罪悪感と孤独を癒すということ

罪悪感がなかなか消えないのは、不妊治療のあいだ「一人で戦ってきた孤独」が、自分の内側に深く残っているからかもしれません。
でも、その孤独を少しずつ癒してあげられたとき、不思議と罪悪感はふっと和らいでいきます。
忘れてはいけないのは、不妊治療を経て妊娠したことは、決して母親としての欠陥を意味するものではないということ。
むしろ「この子に会いたい」と願い、孤独の中でも歩み続けた強さこそが、母親としての新しい自己肯定感につながっていくのだと思います。

おわりに

不妊治療を経て母になったからこそ抱える揺らぎや罪悪感は、決して特別なことではありません。
でも、その経験があるからこそ、私たちは支えを求める勇気を持ち、他者に寄り添う力を持つことができるのです。
「あなたは十分に頑張っている」そのことを、どうか忘れないでほしいと思います。

参考文献
日本産科婦人科学会(2021)『生殖医療ガイドライン ― 日本産科婦人科学会』杏林舎
日本生殖医学会(2022)『生殖医療ポケットマニュアル 第2版』医学書院

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コメント

  1. 原因を突き止めたいけどわからないとき、自分を責めてしまいますね🥲
    わからないまま進むって本当にむずかしい、つらい、苦しい😭
    でも自分と折り合いをつけて進んでいけたらきっと道は開けると思います!

    私も進み中!笑

  2. @藤岡麻美
    コメントありがとうございます!罪悪感を感じる時は、自分の中にある思い込みだったりいらない価値観に気づき手放すチャンスだと思います🙏そんな時こそカウンセリングを通じて内観を深められるといいですよね✨

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