
薬膳は「特別」じゃなくていい
「薬膳」と聞くと、どこかハードルの高い響きを感じる方も多いのではないでしょうか
「難しそう」「材料が手に入りにくい」「専門的な知識が必要そう」
――私自身、薬膳と出会った当初はそんなイメージを持っていました
ですが、実際に学び
日々の暮らしに少しずつ取り入れていくうちに、薬膳は決して特別なものではなく、むしろ“当たり前の食の知恵”であることに気づきました
特別な材料や時間をかけなくても
私たちは昔から、季節に合った食材を選んだり、家族の体調を見て献立を工夫したりしてきたのです
それこそが薬膳の基本です
私が薬膳を本格的に学び始めたのは
長女を出産し、慣れない子育ての中で自分の体調が崩れがちだったことがきっかけでした
毎日バタバタと過ぎていく日々の中で、自分の心と体に目を向ける時間がなかなか取れず、気づけば不調が慢性化していました
早く2人目が欲しかったわたしは
なかなか授かれない自分の身体に焦りを感じていました
そんなとき、「薬膳」は私にとって
自分を労わる小さな手段になってくれました
難しく考えず
いつものお味噌汁に腎を補う“黒豆”を加えてみる
寒い日には“生姜”を足す
それだけでも、身体はちゃんと反応してくれるのです
このコラムでは
そんな「がんばらない薬膳の取り入れ方」を、できるだけやさしい言葉でお伝えしていきます
薬膳を特別なものにせず
無理なく、そして楽しく暮らしに取り入れていくヒントを、一緒に見つけていきましょう
薬膳の基本をやさしく知る
薬膳という言葉は
「薬食同源(やくしょくどうげん)」という考え方から生まれました
これは「薬と食べ物は、どちらも健康を保つための源である」
という東洋医学の基本理念です
つまり薬膳とは
食べることで体を整える“食養生”のひとつ
漢方薬のような苦くて特別なものではなく、私たちが毎日口にする食事の中に、ヒントがたくさん詰まっているのです
薬膳の基本には、「五性(ごせい)」「五味(ごみ)」「帰経(きけい)」という3つの考え方があります
五性とは
食材の性質を表すもので
「寒・涼・平・温・熱」の5つに分かれます
例えば、きゅうりやトマトは体を冷やす「寒性」
生姜やシナモンは体を温める「熱性」
季節や体調に応じて
この性質を使い分けることで
無理なく体を整えることができます
五味は、食材の味の違いに意味を見出したもの
「酸・苦・甘・辛・鹹(しおからい)」の5つがあり
それぞれに働きがあります
たとえば、「甘」は胃腸をいたわり、「酸」は汗を止めたり引き締めたりする働きがあります
毎日の献立にこの五味を少し意識してみるだけで、バランスが取りやすくなります
帰経は、食材がどの臓器に影響しやすいかを示すものです
たとえば“黒豆”は「腎」に帰経し
生命力を補う食材として知られています
「脾」に作用する食材は胃腸を整え、「肺」に帰る食材は咳や乾燥に良いとされるなど、自分や家族の体調にあわせた食材選びの参考になります
でも、最初からすべてを覚える必要はありません
薬膳のよいところは
「いまの自分の体調」や「季節の変化」に素直に目を向けるところにあります
「最近、身体が冷えるな」と感じたら温める食材を
「やる気が出ないな」と思ったらエネルギーを補うものを
そんな感覚から始めてみるのが薬膳の入り口です
わたしが運営している薬膳茶ブランド「薬膳茶きゃある」でも
あえて専門的な表記をせず
「寒い日にピッタリなお茶」「たくさん食べたい日に」など
感じ方で選べる工夫をしています
薬膳は、知識よりもまず“感じること”が大切なのです
どこか難しそうに見える薬膳も
実はとても身近なもの
あなたの体の声を聞いて、それにそっと寄り添ってくれるのが薬膳です
毎日の中で「無意識に」取り入れていた薬膳
「薬膳」と聞くと
何か特別なことを始めないといけないように感じるかもしれません
ですが実は
私たちは知らず知らずのうちに薬膳的な選択を、日々の暮らしの中でしているのです
たとえば、急に寒くなった日
私はよく、生姜入りの葛湯を飲みます
あのとろりとした口当たりと
生姜のじんわり温まる感じが
冷えた身体に染みわたって
気持ちまでほっと緩みます
これは立派な薬膳です
生姜は「温性」で身体を温め
葛粉は胃腸にやさしく、体調を整えてくれる食材
冷えや風邪のひき始めにもよい組み合わせです
逆に、暑さが厳しい夏の日には
私は決まってトマトのマリネを作りたくなります
冷たく冷やしたトマトに
ほんの少しのお酢とオリーブオイル
実はこれも、薬膳的には理にかなっています
トマトは「寒性」で体の熱を冷まし
お酢の酸味には引き締めや疲労回復の効果が
身体が自然に欲しているものに
ちゃんと理由があるんですね
このように
薬膳とは決して「新しい知識を覚えて、特別な食材を買って、頑張って作る」ものではありません
私たちの暮らしの中には
もともと薬膳の知恵が根付いているのです
昔ながらの「おばあちゃんの知恵袋」にも、たくさんの薬膳的な考え方が詰まっています
風邪のときにネギを首に巻くとか
喉が痛いときには大根とはちみつを漬けたものをなめるとか
そうした素朴な工夫の一つひとつが、身体をいたわる薬膳のはじまり
大切なのは、“感じる力”です
冷えたなと思ったら温かいものを
疲れたら甘いものを
のどが渇いたら潤すものを――
自分の身体の声に耳を傾けることから、薬膳は始まります
「なんとなく選んでいたこと」も
視点を変えれば立派な薬膳
むしろ、その“なんとなく”の感覚こそが、あなたの自然治癒力の現れかもしれません
すでに始まっていた、あなたなりの薬膳生活を、まずは肯定してあげてください
無理なく生活に薬膳を取り入れるコツ
薬膳は“暮らしの知恵”ですから
がんばらなくてもいいんです
特別な食材を探しに行かなくても
台所にあるもので十分
ポイントは、「いまの自分(または家族)に必要な効能を持つ食材」を、少しだけ意識することです
たとえば黒田家では
体が重だるく感じる日には
胃腸を整える「かぼちゃ」や「さつまいも」
むくみを取る「もやし」などをスープにして取り入れます
かぼちゃは甘味があって食べやすいし、さつまいもは蒸してもスープにしても使える万能食材
忙しい日の夕飯は
実は薬膳のチャンス
私がよくやるのは
「蒸籠」や「土鍋」に
薬膳的に必要な食材をそのまま入れてしまうスタイルです
たとえば、肌寒い日には
鶏肉・長ネギ・きくらげ・さつまいもを入れた“温活蒸し”
身体を温め、気血を補う食材の組み合わせです
しかも、包丁すら使わないこともあります
野菜は手でちぎる、鶏肉はカット済みを活用する
それでもちゃんと、身体が喜ぶ一皿が完成するんです
スープも
薬膳と相性のいいメニューです
薬膳では、「一物全体(いちぶつぜんたい)」――なるべく丸ごと食べることを大切にします
皮ごと煮込める根菜類や
乾物(干ししいたけ、切り干し大根、黒豆など)は薬膳的にも優秀で
旨味や栄養も豊富
スープに入れてコトコト煮込めば
それだけで立派な薬膳ごはんになります
おやつやお茶の時間にも
ちょっとした薬膳の工夫を取り入れられます
たとえば、午後に集中力が切れたら
くるみや黒ごま、小魚をつまむ
どれも「腎」を補い
気力を養う食材です
わたしは薬膳茶ブランド「薬膳茶きゃある」を通して
そうした“お茶の時間から始める薬膳”も提案しています
ティーバッグタイプなら
お湯を注ぐだけで手軽に身体を整えられるし、なにより“心に余白ができる”のも、薬膳の大切な効能の一つです
それからもうひとつ
家族の反応が気になる方へ
薬膳=味が地味、と思われがちですが、工夫次第で家族も満足できます
たとえば「甘味」には養生効果があるので、鶏肉の煮物に少し黒糖を加えてみたり、スープにほんのり干し椎茸の甘みを効かせたり
美味しくて体にいい――それがいちばん続きやすい形ですよね
買い物のとき、「今週は体が冷えてるから、温めるものを」「ちょっと気が張ってるから、リラックスできるものを」と、少しだけ“薬膳の視点”を持って選ぶ
それだけでも、日々の料理が自然と養生になります
無理をしない、頑張らない
でも、ちゃんと自分を整えている
そんな“ゆるくて芯のある”薬膳習慣が、わたしはとても好きです
あなたの生活にも薬膳を
いきなり知識ゼロなところから
なにを取り入れていいのか分からないですよね
黒田にご相談いただければ
勉強せずとも、自分の体質にあった不妊改善のヒントが見つかるかもしれません
はじめましてカウンセリングは
20分無料で行っておりますので
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コメント
薬膳の世界に絶賛ハマり中です。
“思っていたよりも手軽”という言葉と
“思っていたよりも奥深い”という言葉が
見事に共存する面白い薬膳。
密かに追っかけてます。
@きょーへーさん❁⃘*.゚
この間の勉強会での質問
めちゃくちゃ鋭くて、1周勉強してこられたのかと思う程でしたよ🥹
取り入れる事に関してはめっっちゃ敷居低いのですが
学び入れるとなると相当根気がいります☯️
質問なんでも受け付けております♡♡