治療を終結するはずが…
不妊ピア・カウンセラーの上田です。
今回は、私が妊活中に受けたカウンセリングのお話しです。
私は、6年の不妊治療の末に、40歳で出産しています。
そして42歳の頃、一人目の治療の時に残してあった受精卵4つを胚移植するだけと決めて、不妊治療を再開しました。
結果は、1つが着床して妊娠。ですが喜んだのも束の間、心拍確認を前に流産となりました。
本来なら、ここで治療を終結するはずだったのですが…。ここからが、私の苦悩の始まりでした。
もう一度、治療したい!
流産をきっかけに、「もっと状態の良い受精卵だったら…」という思いが生まれ、「顕微授精からやり直したい」と思うようになったのです。
しかし夫は「約束と違う」と言って、治療を続けることには反対。
どうにか夫を説得する材料はないかと思った私は、今採卵をしたらどれくらい採卵できそうか、クリニックで診てもらいました。
「もう一度挑戦する価値がある」と言ってもらいたかったんですね。
でも結果は…当たり前ですが、年齢相応の状態で、「妊娠して出産に至る確率は、かなり低い」と言われました。
それでも諦めきれず、カウンセリングへ
夫は治療を続けることに反対で、クリニックでも「治療しても妊娠の可能性は低い」と言われた…。
冷静に考えれば、治療を終結せざるを得ない状況なのに、私は二人目を諦めきれず、本当に苦しみました。
そんな時、クリニックでカウンセリングを受けられることを思い出し、助けを求めるようにして生殖心理専門のカウンセラーさんのカウンセリングに通い始めたのです。
視野が狭くなっていたことに気づく
カウンセリングでは、「どうして2人目が欲しいのか」を切々と訴えた記憶があります。
散々訴えて、泣いて、ちょっと気持ちが落ち着いた時、カウンセラーさんから聞かれました。
「これまでの子育て、楽しかったんですね」
「では、大変なことはありませんでしたか?」と。
それで我に返ってみたら、大変なことだらけでした。
「ストレスがたまりすぎて、『もう嫌~!』と大声で叫んだこともあったなぁ」なんて思い出した時、気づいたんです。
私は、育児の都合の良い面だけを心の中で膨らませて、「二人目、二人目」と焦っていたけれど、もし二人目を授かることができたら、大変なことも、また味わうことになるんだと。
悩んで、悩んで、視野が狭くなると、こんな当たり前のことにも気づけなくなるんですね。
その後、週1回くらいのペースで5回ほどカウンセリングに通ううちに、あれほど悩んでいたのが嘘のように「今のままでも悪くない」と思うようになり、最後は、穏やかな気持ちで治療の終結を決断できました。
カウンセリングは、「こんな道もあるんじゃない?」と気づかせてくれる場
この経験から、カウンセリングって、ただただ話を聞くだけじゃなく、「こうじゃなきゃ!」と凝り固まった思考に「こんな道もあるんじゃない?」って気づかせてくれる場なんだと知りました。
「カウンセリングってすごい」と思いました。
そして私は、このカウンセリングをきっかけに
不妊ピア・カウンセラーになると決断し、今に至ります。
コメント
あれほど悩んでいたのが嘘のように!って感覚、私も体験していて、ただ話しただけなのに・・・って自分でもびっくりしちゃうけど、ホントにそうなんですよね〜。
@萌黄さやかさん
ホント、不思議ですよね。
カウンセリングを受けてみないと、分からない感覚かもしれませんね~。
本当にそうですね。
私も不妊治療にどっぷりハマっていた頃は、
どうして子供が欲しいの?
どうして子供がいなきゃダメなの?
と聞かれても答えられませんでした。
@kaonly-oneカオンリーワン
それが当たり前と思っているから、自分が描いてきた物語を書き換えるのは、難しいですよね…