不妊治療と仕事の両立についての調査データが語るもの

不妊治療と仕事の両立についての調査データが語るもの

今回参考にしたのは、

令和5年度 厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」

という調査結果です。

その中で、こんな調査結果がありました。

○不妊治療をしていることを職場で一切伝えていない(伝えない予定の)人は47.1%。

○職場でオープンにしていない理由top3は、

「伝えなくても支障がないから 37.1%」

「周囲に気遣いをしてほしくないから 33.0%」

「不妊治療がうまくいかなかった時に職場に居づらいから 27.7%」

となっていました。

めっちゃわかる・・・同じ理由で、私も一切言えなかった。。。

ただ、不妊ピア・カウンセリングをお受けさせていただいている身として思うのは、

「伝えなくても支障がない」

という意味を、言葉のまま受け止めていいのか?ということ。

「何も支障ないでーす!両立うまくやれてまーす!」

って言える人って、どれくらいいるんだろう・・・

例え、会社で周りの理解があったとして、

「働き方」には支障はないとしても、

例えば周囲への気遣いだったり、

仕事のマッハな調整だったり、

様々な努力をした上で、なんとかかんとか、

「伝えなくても支障がない」という状況を必死に作り上げている、

ということではないかと、肌感覚として思っています。

一方、企業サイドの実態として、

不妊治療と仕事の両立を図る上での困難や課題については、

「不妊治療を行っている従業員の有無を把握できない」が最も多く71.2%

「プライバシー保護の問題」61.8%

この2つの回答が、他回答よりダントツで多くなっています。

このことから、企業側としては、

そもそも不妊治療をしている従業員の現状を掴みきれないし、

掴もうとするも、プライバシーの問題に抵触する可能性もあるから、

なかなか動きづらい、という実態が見て取れました。

で、企業が、従業員が不妊治療と仕事との両立を図る上での意見や要望としては

以下のようなものが上がっています。

「社会全体の理解度向上に向けた周知」、

「制度がない会社の方が遅れている、という社会的雰囲気作り」

「個人のプライバシー保護に係る企業の支援」

「国を挙げてという空気感」

「若いうちから不妊治療について支援を行う」

また、企業の限界として、

「センシティブな問題で実数が把握できない」

「努力すればするほど、不公平感を味わい、報われない気持ちになる」

「中小企業は人を抱える余力もないため、別途制度を設けることは難しい」

「有休で対応すればよい」

というご意見が。

つまりは、

企業としても動く意志はないわけではないけれど、

いち企業だけでは限界がある!

もっと国や社会をあげて、空気感作りとか、

やらねばならぬ!の雰囲気を作って、

とり組んでいかないと進まない!

というご意見なんだろうな〜と読んでおりました。

企業側の論理もごもっともで、

不妊治療って実際に私自身が経験しても、

実際やってみないとわかりづらい治療実態があるし、

約半数が相談せず、職場にバレないように

働きながら不妊治療を行っている実態があるから、

何に困ってるのかも把握できない以上、施策が打ちづらい。

仮に、ということで施策を打ったとしたら、それは、

そのほかのこととの両立で困っている人からすると、納得を得られないし、

不公平感が出てしまうことも頷けます。

こんな、お互い「お見合い状態」が、

不妊治療の保険適用が進んでいる中でも、

いまだにあるなんて・・・

愕然としてしまう・・・

こんな現実を把握した今、

同じような課題感を持つ仲間とともに、

この問題の根源を深掘り、解決策を模索するプロセスに入っています。

不妊治療の当事者を福利厚生等の施策で

サポートする企業がとても増えているのは

とっても喜ばしいことだと思っているけれど、

「お見合い状態」の根本解決を考えていかなければ

本当の意味で「働きながらの不妊治療はツラいよ」は

到底解消されないだろうな、と思う。

私自身、会社を辞めた元をたどると、

不妊治療のことを打ち明けられず、

でも治療中に打ち明けざるを得なくなり、

突然長期休みを取ることになり、

結果、管理職をクビになったところから、

別のキャリアを考え出したという意味では、

発端は不妊治療とも言えるわけなので、

不妊治療で目指していたキャリアを諦めざるを得ない人を

減らしたい!!という思いで、

この課題に取り組んでいきたいと思っています。

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コメント

  1. 「大きな問題、課題」と捉えてしまうと動き出せなくなるけど、自分にできること、企業にできること、行政にできること、それぞれができることをやっていく以外ないな、と感じました!
    私の視点で自分にできることを考え続けたいと思います👀

  2. @藤岡麻美
    ほんとそうですね!できる一歩から、自分にできること、とり組んでいきたいですね!

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